COLUMN家具に関するコラム

【売る前に】中古家具市場の現状と動向について

その他

中古家具市場の現状と動向について

市場規模の拡大

全体のリユース市場

リユース経済新聞が独自にリユース市場規模の推計を行なったところ、2023年の市場規模は、前年比7.8%増の3.1兆円となった。調査対象とした2009年以降14年連続での拡大を記録しており、堅調な成長を続けています。

リユース市場は、2022年には3兆円規模となり、CtoCの市場規模がBtoCを上回る見込みです。また、これまでの市場成長率を鑑み、2025年には3兆5000億円に拡大すると予測されています。さらに長期的には、2030年には4兆円市場になると予測されるなど、今後も右肩上がりで成長していく市場であると予想されています。

中古家具市場の特徴

2024年、使用済みセグメントは71.3%以上を占めており、2034年まで5.5%の割合で成長すると予想されます。中古家具市場では、実際に使用された製品が主流を占めており、持続可能性への関心の高まりとともに安定した成長が見込まれています。

市場拡大の背景

経済的要因

物価高の影響から割安なリユース品への注目度が高まっており、消費者の節約志向が中古家具市場の成長を後押ししています。特に家具は新品価格が高額になることが多いため、中古市場での価格メリットが大きな魅力となっています。

技術革新とプラットフォームの発達

近年、フリマアプリやネットオークションを通じたCtoC取引が急成長しており、これに加え、企業が仲介して消費者間の取引をサポートするCtoBtoCモデルも広がりを見せています。

メルカリ、ヤフオク、ジモティーなどのプラットフォームの普及により、個人間での家具の売買が格段に便利になり、市場参加者が大幅に増加しています。

環境意識の高まり

持続可能性(サステナビリティ)への関心が高まる中、廃棄物削減と資源の有効活用を目指すリユースの考え方が社会に浸透しています。特に若い世代を中心に、新品購入よりもリユース品を選択する傾向が強まっています。

主要な販売チャネル

オンライン・フリマアプリ

個人間取引のプラットフォームが急成長しており、特に以下のサービスが中古家具市場で重要な役割を果たしています:

  • メルカリ:最大手のフリマアプリ
  • ヤフオク:オークション形式での取引
  • ジモティー:地域密着の直接取引
  • ラクマ:楽天が運営するフリマサービス

出張買取サービス

重くて運べないモノは出張買取も承りますので、どうぞご相談ください。大型家具の特性上、出張買取サービスの需要が高く、多くの業者がこのサービスを提供しています。当社では迅速にお客様に買取金額を提示しお支払いも即日可能で梱包もする必要がないので手間もかかりません!

ビジネスモデルの変化

従来のBtoCから多様化へ

リユース業界のビジネスモデルは、企業が商品を買い取り、その商品を販売して利益を得るBtoCモデルが一般的ですが、現在では以下のような多様なモデルが共存しています:

  1. BtoC(Business to Consumer):従来型の買取・販売モデル
  2. CtoC(Consumer to Consumer):フリマアプリを通じた個人間取引
  3. CtoBtoC(Consumer to Business to Consumer):企業が仲介する個人間取引

仕入れ・販売チャネルの多様化

リユース業界の主な仕入れチャネルには、店頭買取・出張買取・宅配買取・催事買取・古物市場・卸仕入れなどがあります。販売チャネルとしては、店舗販売やネット販売、さらには海外輸出などが活発化しています。

市場の課題と機会

主な課題

  1. 品質管理の難しさ:中古品の状態評価の標準化
  2. 物流コストの高さ:大型家具の配送・設置費用
  3. 季節変動:引越しシーズンなどによる需給の波
  4. 偽物・模倣品の混入:ブランド家具の真贋判定

成長機会

  1. 海外展開:日本の中古品は海外市場でも高い評価を受けています
  2. デジタル化の推進:AR/VRを活用した商品確認システム
  3. サブスクリプションモデル:家具レンタルサービスとの連携
  4. 法人需要の開拓:オフィス移転やリニューアル需要

特定セグメントでの動き

中古家具・家電売上ランキングを見ると、専門性の高い業者や地域密着型の業者が安定した業績を上げており、差別化戦略の重要性が示されています。

今後の展望

市場成長の持続

10年間の年平均成長率は7.5%という高い成長率を維持しており、今後も以下の要因により成長が続くと予想されます:

  1. 消費者意識の変化:サステナビリティへの関心
  2. 技術革新:AI査定、物流効率化
  3. ライフスタイルの変化:シェアリングエコノミーの浸透
  4. 経済的要因:コスト意識の高まり

新しいトレンド

  • リファービッシュ家具:専門的な修理・再生を施した高付加価値商品
  • サーキュラーエコノミー:製造から廃棄まで循環型の取り組み
  • デザイナーズ家具の民主化:高級家具の中古市場での流通拡大

まとめ

中古家具市場は、リユース市場全体の成長とともに拡大を続けており、2030年には4兆円規模に達すると予測されています。フリマアプリの普及、環境意識の高まり、経済的要因などが市場成長を後押ししており、従来のBtoCモデルから多様なビジネスモデルへの展開が進んでいます。

今後は、品質管理の標準化、物流効率化、デジタル技術の活用などにより、さらなる市場拡大が期待されています。消費者にとってはより便利で価値のある中古家具を入手する機会が増え、売り手にとっては多様な販売チャネルを活用した効率的な処分方法が提供される環境が整っています。

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