
Maxalto(マクサルト)は、B&B Italiaグループの中で「クラフトとネオクラシック」を担うハイエンドラインとして位置づけられるイタリアの高級家具ブランドで、木工とファブリック/レザーを組み合わせた上質なインテリアを展開しています。 モダン一辺倒ではなく、1920〜30年代のヨーロッパ上流階級のインテリアを現代的に解釈した世界観が特徴で、落ち着いたラグジュアリー感を求めるユーザーから高く評価されています。
歴史とブランドの成り立ち

Maxaltoは1975年、B&B Italiaと並行して立ち上げられたブランドで、「massa alto(マッサ・アルト)=最も高貴な/至高の」というヴェネチア地方の言葉に由来するとされています。 B&B Italiaがウレタン成型などの工業技術を武器に“ハイテク系モダン”を切り開いたのに対し、Maxaltoは伝統的な木工やクラフトを重視した「職人寄り」の側面を担うために創設されたラインです。
初期はアフラ&トビア・スカルパが中心デザイナーとなり、弦楽器職人や伝統家具工房の技術を取り入れた木製家具を数多く発表しました。 1993年以降はアントニオ・チッテリオが単独デザイナー/アートディレクターとしてブランド全体を統括し、「モダン・ネオクラシック」をコンセプトにしたコレクションへと進化していきます。
デザインの特徴と世界観

Maxaltoのデザインは、20世紀初頭のフランスやイタリアのブルジョワ住宅に見られるエレガントなプロポーションを、現代のミニマルな感覚で再構成したものと説明されています。 シャープな直線と柔らかな曲線、上質な突板や無垢材、落ち着いたトーンのファブリック/レザーを組み合わせることで、「華美ではないが、明らかに格の違うラグジュアリー」を表現しているのが特徴です。
カラーパレットはダークブラウンやウォールナット、グレージュ、トープなどのニュートラルで深みのある色が中心で、メタルパーツも艶を抑えたブロンズやブラックニッケルが多用されます。 その結果、派手な装飾はないものの、近づいてディテールを見たときの精度や素材感で「高級さ」が伝わるような設計になっています。
主なアイテムとコレクション

Maxaltoのラインアップは、ソファ・アームチェア・ダイニングチェア・テーブル・収納・ベッドなど、住宅の主要カテゴリーを一通りカバーしており、「理想の家」全体を構成することを念頭に置いたコレクションとされています。
代表的な特徴としては次のようなものがあります。
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ソファ/アームチェア
厚みのあるクッションと、低めでどっしりした座面バランスを持つモデルが多く、B&B本体よりもややクラシック寄りの印象です。 背やアームにファブリックと木フレームが組み合わさり、サイドから見たラインが美しく設計されている点も特徴とされています。 -
テーブル/ダイニング
天板には突板や無垢材、石材などが用いられ、脚部のディテールや面取り、継ぎ目の処理に職人技が活かされています。 足元に向かって絞り込むラインや、控えめな装飾モールディングなど、“現代に置き換えたクラシックディテール”が随所に見られます。 -
収納/キャビネット
フレームと扉の面構成が細かく計算されており、金物の見え方や木口の処理まで含めて「壁面の建築要素」として捉えられています。 1920〜30年代のパリのアパルトマンを思わせるような、端正で端々まで仕立てのよいキャビネット群が特徴です。
職人技と素材へのこだわり


ブランドストーリーでは、Maxaltoを「伝統的な職人技を守り称えるための会社」と位置づけており、素材選定と木工技術へのこだわりが強調されています。 ベネチア地方の方言に由来するブランド名が示すように、地域のクラフト文化への敬意を前提に、現代の工業技術と融合させることで高い品質と安定性を両立させています。
テーブルやチェアのジョイント部は、単に強度を満たすだけでなく「見たときに美しい継ぎ目」であることが重視され、面の取り方や角度、木目の通し方など、ディテールを詰めた設計がなされています。 こうした職人仕事の積み重ねにより、流行のスタイルに寄せずとも「時間が経っても古びない家具」を目指している点がブランドメッセージとして語られています。
B&B Italiaとの違いと日本での位置づけ

B&B Italiaがよりモダン・建築的・実験的な家具で知られるのに対し、Maxaltoは「クラシックとモダンの中間/ネオクラシック」を担う姉妹ブランドとして差別化されています。 同じショールーム内でも、B&Bは白やグレーを基調としたモダン空間、Maxaltoはブラウンやトープ、ブロンズを基調とした落ち着いた空間というように、世界観が分けて展示されることが多いです。
日本では表参道・骨董通りエリアの旗艦店「B&B Italia Tokyo/Maxalto Tokyo」でフルコレクションが展開されており、ハイエンドマンションや戸建てのリビング・ダイニング向けに提案されています。
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モダン寄りだが、冷たくなりすぎないインテリアを作りたい
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木質感とテキスタイルの豊かな“質感のレイヤー”を重視したい
といったニーズに対して、Maxaltoは非常に相性がよいブランドと位置づけられています。
価格帯はB&B Italiaと同等かやや上のレンジに位置し、特に木工や収納、テーブル類は「クラフト性を考えるとむしろ割安」と評価するプロもいますが、一般的には完全なラグジュアリーゾーンに属します。 一生物のダイニングセットや、空間の核になるサイドボード・コンソールなど、「長く使う前提のピース」を選ぶブランドとして検討すると、その魅力がより活きると言えます。