
カッシーナやB&B Italia、ミノッティ、フリッツ・ハンセンなど、海外ブランドの高級家具を所有している方にとって、為替の動きは気になる要素のひとつです。円安になると輸入家具の新品価格が上がるため、「中古家具の買取価格も上がるのでは?」と考える方も多いでしょう。
実際、円安は輸入家具の中古相場を押し上げる要因になることがあります。ただし、為替が動いたからといって、買取価格がすぐ同じ割合で変わるわけではありません。新品価格、海外需要、在庫状況、ブランド力、家具の状態など、複数の要素が重なって相場は決まります。
円安で新品価格が上がる仕組み

円安とは、海外の通貨に対して日本円の価値が下がることです。例えば、1ドル=100円のときに2,000ドルの家具を輸入すると、日本円では20万円です。しかし、1ドル=150円になると、同じ家具でも30万円必要になります。輸送費や関税、保管費などを除いても、仕入れ価格だけで10万円の差が生じます。[]
このような輸入コストの上昇は、メーカーや販売店の価格改定につながります。新品の定価が引き上げられると、「新品よりも安く買える高品質な中古品」に注目が集まりやすくなります。その結果、人気ブランドや定番モデルでは、中古販売価格や買取価格が底上げされることがあります。
ただし、価格改定は為替の変動が起きた直後に行われるとは限りません。メーカーが在庫を持っている場合や、契約時の為替レートが異なる場合は、反映までに時間差が生まれます。
海外需要が買取相場を動かす

円安の影響は、国内の新品価格だけではありません。円安になると、海外の購入者にとって日本の中古家具が割安に見えることがあります。日本で100万円で販売されている家具が、海外の購入者から見ると、為替によって以前より少ない外貨で購入できる可能性があるためです。
海外への販売ルートを持つ買取業者であれば、国内だけでなく海外の需要も含めて査定できます。海外で人気の高いデザイナーズ家具やヴィンテージ家具、流通量の少ない廃盤モデルなどは、円安の局面で評価が上がりやすいことがあります。
一方、国内でしか需要がない家具や、サイズが大きく海外輸送に不向きな商品は、為替の恩恵を受けにくい場合があります。円安ならすべての輸入家具が高く売れる、というわけではありません。
円高になると相場は下がるのか

円高になると、海外製品を日本に輸入するコストは下がりやすくなります。理論上は新品価格が抑えられ、中古家具の価格にも下落圧力がかかります。新品と中古品の価格差が小さくなれば、購入者が新品を選びやすくなるためです。円高には輸入品を安く購入できるメリットがあるとされています。
しかし、円高になったからといって、中古家具の買取価格がすぐに下落するとは限りません。家具ブランドが価格を据え置く場合もありますし、原材料費、輸送費、人件費などが上昇していれば、為替だけで定価が下がるとは限りません。実際には、円高局面でも輸入家具の販売価格が簡単には下がらないという見方もあります。
為替より重要な要素もある

査定現場では、為替以上に重視されるポイントがあります。代表的なのは、モデルの人気、ブランドの知名度、商品の状態、サイズ、付属品の有無です。
例えば、円安の時期でも、レザーがひび割れていたり、ソファに大きなへたりがあったりすれば、査定額は大きく下がります。反対に、円高の時期であっても、人気の廃盤モデルや状態の良い名作家具であれば、高値で取引されることがあります。為替は相場を動かす「追い風」にはなりますが、家具そのものの価値を置き換えるものではありません。
売却時に確認したいこと

輸入家具を売却する際は、為替レートだけで判断せず、次の点を確認することが大切です。
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最近、新品定価の改定があったか
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現在も販売されているモデルか
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海外や国内で中古需要があるか
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レザーやファブリックの状態に問題がないか
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ブランドタグ、保証書、購入記録が残っているか
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大型家具の場合、搬出や配送がしやすいか
円安時には、輸入コストの上昇と海外需要の増加という2つの経路から、買取相場が上がる可能性があります。一方で、円高になっても人気モデルの価値が急落するとは限りません。
大切なのは、「円安だから売る」「円高だから待つ」と単純に決めるのではなく、新品価格と中古相場、商品の状態、市場の需要を合わせて見ることです。為替のニュースをきっかけに、所有している家具の現在価値を確認してみることが、納得できる売却タイミングを見極める第一歩になります。