
2020年代半ばの家具市場は、全体としては緩やかな成長ですが、その中で高級家具は「平均より速く伸びるセグメント」として存在感を高めています。
1. 日本の家具市場全体の動き

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日本の家具市場規模は2025年時点で約232億ドルと評価され、2034年までに約302億ドルへ拡大、年平均成長率は約3%と予測されています。
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別の調査でも、2026年時点で約235.7億ドル、2031年に265.1億ドルへ拡大し、CAGR約2.4%とされており、いずれも「横ばい~緩やかな成長」というトーンです。
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素材別では、売上の6割強を木材家具が占める一方、プラスチック・ポリマー家具が最も高い成長率を記録しており、軽量・低価格・カジュアルな需要が底堅く伸びています。
2. 世界の家具・高級家具市場のトレンド

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世界の家具市場は、2021年の約5,483.8億ドルから2030年に約7,808億ドルへ、CAGR約5.1%で成長すると予測されています。
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この中で高級家具市場は、2020年に約270億1,000万ドル規模から2030年に約419億ドルへ拡大、年平均約4.5%と「全体より高めの成長率」が見込まれています。
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成長要因として、都市化・可処分所得の増加・住宅や商業施設の新築・リノベーション需要、デザイン性と審美性への志向、サステナブル建築の広がりが挙げられています。
3. 日本の高級家具市場:全体より高い成長

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日本の高級家具市場は、2025年〜2033年にかけて年平均4.8%の成長率が予測されており、国内家具市場全体(約3%)を上回る伸びが見込まれています。
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成長ドライバーとして、
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可処分所得の増加と「高品質・審美的な家具」への需要
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ラグジュアリー住宅・高級不動産、ホテル・高級ホスピタリティの開発
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インテリアデザインへの関心の高まりと「空間ブランディング」志向
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高級家具を探し・購入しやすくするECプラットフォームの拡大
が指摘されています。
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4. 消費者側の変化:家とインテリアへの投資シフト

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各種レポートでは、在宅時間の増加やテレワーク定着を背景に、「住環境への投資」が増えていることが、日本・世界双方で家具需要を押し上げているとされています。
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高級家具に関しては、富裕層を中心に「長く使える本物」「空間全体の世界観をつくる家具」への志向が強まり、資産性・ストーリー・サステナビリティを評価軸に含める動きが顕著です。
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また、ECやデジタルカタログ、バーチャルショールームなどのオンラインチャネル整備により、地方在住者や忙しい富裕層でも高級家具を検討しやすくなっている点も、市場拡大要因として示されています。
5. 業界側の戦略と今後のポイント

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家具メーカー側は、
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サステナブル素材(認証木材、リサイクル素材など)
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長寿命設計とリペアサービス
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ラグジュアリーホテル・高級住宅とのコラボレーション
を強化し、高級セグメントでのブランド価値向上を図っています。
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一方で、高級家具市場は「熟練職人の不足」「原材料価格の高騰」といった課題も抱えており、効率的な生産体制や価格転嫁、海外市場開拓などが今後の重要テーマとされています。
まとめると、日本の家具市場全体は緩やか成長の成熟市場ですが、その中で高級家具は「可処分所得の高い層+ライフスタイル重視志向」に支えられ、平均を上回るペースで拡大している状況です。