COLUMN家具に関するコラム

【Carl Hansen & Søn】北欧デザインを象徴するデンマークの家具メーカー

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Carl Hansen & Søn(カール・ハンセン&サン)は、北欧デザインを象徴するデンマークの家具メーカーで、職人技と名作デザインを両立させた木製家具、とくにYチェア(CH24)で世界的に知られています。

 

 

 

 

 

歴史とブランドの成り立ち

1908年、家具職人カール・ハンセンがデンマーク・オーデンセに小さな家具工房を開いたことからブランドの歴史が始まりました。
創業当初はヴィクトリアンスタイルの重厚な注文家具を手作業で製作していましたが、1910年代には機械化も取り入れ、ハンドクラフトと量産を組み合わせる現在につながる生産体制の基礎を築いています。

その後、経営は息子ホルガーへと受け継がれ、1930年代の不況期を乗り越えながら、徐々にデンマーク国内の有力メーカーへと成長しました。
創業から100年以上を経た現在では、デンマーク王室御用達にも認定されるなど、「デニッシュモダン」を代表する歴史あるブランドとして世界中で展開されています。

 

 

 

 

 

デザインの特徴と哲学

カール・ハンセン&サンの家具は、シンプルで美しいラインと木の温かみを活かしたデザインが特徴で、装飾を抑えつつも有機的なフォルムや優雅なプロポーションを重視しています。
創業者以来の「妥協のないクラフトマンシップ」と「優れたデザイナーとの協働」がブランド哲学の柱とされ、機能性・快適性・耐久性を兼ね備えた日常使いの家具として設計されている点も重要です。

製造は今もなおデンマーク国内の工場で行われ、無垢材やナチュラルな素材を使いながら、熟練職人の手仕事と最新技術を組み合わせることで高い品質管理と精度を実現しています。
この「クラフトと工業の融合」によって、長く使える耐久性と、経年変化を楽しめる北欧家具らしい表情が生まれています。

 

 

 

 

 

ウェグナーとの協働と代表作

ブランドの飛躍の大きな転機となったのが、デンマークの巨匠デザイナー、ハンス J. ウェグナーとの協働です。
ウェグナーは1943年に自身のデザイン事務所を設立し、1949年に初めてカール・ハンセン&サンのために椅子をデザインしましたが、この時に生まれたのがCH24、すなわち「Yチェア」です。

Yチェアは1950年の発表直後から高い評価を受け、現在に至るまで継続生産されているブランドのアイコン的存在で、「ウィッシュボーンチェア」としても親しまれています。
その後もウェグナーとは多数の作品を手がけ、CH07シェルチェアなどの名作がカール・ハンセン&サンのコレクションに加わり、デンマークモダンの代表的メーカーとしての地位を確立しました。

 

 

 

 

 

代表的なプロダクト群

カール・ハンセン&サンのラインナップはダイニングチェアだけでなく、ラウンジチェア、ソファ、テーブル、収納など多岐にわたりますが、なかでも椅子の評価が高いブランドです。
CH24(Yチェア)のほか、CH07シェルチェア、CH25ラウンジチェア、各種ダイニングテーブルと組み合わせたトータルなダイニングシーンなど、「軽やかで彫刻的な木部+ナチュラルペーパーコード」の構成が象徴的なイメージになっています。

近年は、リッケ・フロストによる「Sideways Series」など、現代的な感性を取り入れた新作シリーズも展開し、「伝統を守りながら革新を続ける」コレクションづくりを進めています。
これらの新作も、ミニマルでありながら温かみのある北欧的な美意識と、上質な素材・仕上げを重視するブランドDNAを踏襲しています。

 

 

 

 

 

クラフトマンシップと品質

カール・ハンセン&サンの製品は、すべて熟練の職人による手作業工程を含んでおり、ペーパーコードの座面編みや、無垢材の削り出し・仕上げなどに高度な技術が求められます。
同時に、早くから導入された機械加工・最新設備との組み合わせにより、量産品でありながら寸法精度と安定した品質を確保している点が、他のクラフト系メーカーとの大きな違いです。

素材選定においても、オーク、ビーチ、ウォルナットなどの良質な木材や、自然素材を中心とした張地・コードを用い、環境配慮やサステナビリティへの意識も近年ますます強まっています。
その結果として、きちんとメンテナンスをすれば何十年も使い続けられる耐久性を持ち、中古市場でも一定の評価・価値を維持しやすいブランドとなっています。

 

 

 

 

 

現在のポジションと評価

創業から110年以上を経て、カール・ハンセン&サンは「北欧家具のトップブランド」として、世界的に高く評価されています。
デンマーク王室御用達の称号や、ウェグナー作品をはじめとした名作家具の製造元であることがブランド価値を支え、インテリアショップや建築家の提案においても「確実に名前が挙がる」存在です。

インテリアの実務視点では、「ミニマルだが冷たくなりすぎない北欧モダン」「長く使える名作を軸にしたダイニング・リビング構成」を実現しやすいメーカーとして、住宅・商業空間の両方で採用されています。
名作チェアでありながら日常使いの実用性も高い点が、デザイン業界だけでなく一般ユーザーからも支持されている理由といえます。

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