
高級家具を選ぶとき、多くの方がデザインやブランドに注目します。しかし、中古市場での需要や買取価格を考えるうえでは、「何色を選ぶか」も重要な要素です。家具のカラーには時代ごとの流行があり、その変化によって同じモデルでも人気や再販性が変わることがあります。
ただし、流行色だから必ず高く売れるとは限りません。高級家具の査定では、ブランドやモデル、素材、状態、購入時の仕様などを総合的に判断します。そのうえで、カラーが現在の住空間に合わせやすいか、次の買い手から需要が見込めるかという点が評価されます。
2010年代に広がったグレー

2010年代のインテリアを代表する色のひとつがグレーです。白や黒ほどコントラストが強くなく、落ち着きや都会的な印象を演出できることから、ソファやラグ、収納家具の張地など幅広く使われました。海外のインテリアトレンドでも、2010年代はグレーがリビングや寝室などに広く取り入れられた時代とされています。[]
高級家具市場でも、チャコールグレーやライトグレーのレザー、グレー系ファブリックは人気を集めました。モダンな空間に合わせやすく、木材や金属との相性も良いため、比較的再販しやすいカラーといえます。
一方で、グレー一色の空間が増えたことで、次第に「無機質」「冷たい」という印象を持たれることもありました。その反動から、少しずつ温かみのある色へと関心が移っていきます。
グレージュとナチュラルカラー

グレーの洗練された印象と、ベージュの柔らかさを組み合わせたグレージュは、近年の定番カラーとして定着しました。無彩色に近い落ち着きがありながら、冷たくなりすぎない点が特徴です。
家具では、グレージュのファブリックソファや、明るい木目と組み合わせたダイニングセットが人気を集めました。住宅の内装にも合わせやすく、主張が強すぎないため、買い替えや引っ越し後にも使いやすいカラーです。こうした「多くの空間に馴染む色」は、中古市場でも一定の需要を保ちやすい傾向があります。
また、白やナチュラルウッドも長く支持されてきました。特に北欧家具やミニマルデザインの家具では、白と明るい木目の組み合わせが広がり、清潔感や開放感を重視するインテリアと相性の良いカラーとして定着しました。
ブラウン人気の再燃

近年は、グレーやグレージュから、ブラウンやダークウッドへと関心が移りつつあります。ブラウンはかつて「古い」「重たい」と見られることもありましたが、現在は落ち着きや上質感を表現するカラーとして再評価されています。インテリア業界でも、ブラウンはクワイエット・ラグジュアリーを象徴する色として注目されています。
特にウォールナット、チョコレートブラウン、エスプレッソカラーのような深みのある色は、高級感を演出しやすいのが特徴です。無垢材や本革との相性も良く、家具そのものの素材感を引き立てます。
2026年のトレンドでも、チョコレートブラウンやバーガンディ、深いグリーンなど、温かみと重厚感を持つ色が注目されています。1stDibsのデザイナー調査では、チョコレートブラウンを今後使いたい色として挙げる回答が目立ち、2022年から人気が上昇していると報じられています。
グリーンやテラコッタがアクセントに

現在は、ブラウンをベースにしながら、オリーブグリーン、フォレストグリーン、テラコッタ、深いネイビーなどをアクセントとして取り入れるスタイルも増えています。自然素材や植物との相性が良く、空間に個性を加えられるためです。2026年のインテリアトレンドでも、オリーブグリーンやテラコッタ、サンドベージュなどが注目色として紹介されています。[]
ただし、鮮やかな色の家具は、流行している時期には人気が高くても、数年後に購入希望者が限られる可能性があります。高級家具を資産価値やリセールの観点から選ぶなら、派手な色を避ける必要はありませんが、ブランドの定番色かどうか、張地の交換が可能かどうかを確認しておくことが大切です。
人気カラーと買取価格の関係

査定で評価されやすいのは、単純な流行色ではなく、「その家具に合っていて、次の買い手がイメージしやすい色」です。たとえば、同じブラウンでも、ブランドの代表的な仕様や上質なレザーであれば評価されやすくなります。一方、特殊なカラーであっても、モデルの人気が高く希少性があれば、プラスに働くことがあります。
売却を考えている方は、カラーだけを理由に張り替えたり、塗り替えたりするのは避けましょう。オリジナル仕様そのものに価値がある場合があり、自己流の変更によって評価を下げる可能性があります。
家具の人気カラーは、グレー、グレージュ、ナチュラルからブラウン、そして深いグリーンや暖色系へと変化しています。しかし、長く価値を保ちやすい家具に共通するのは、流行を追いすぎず、素材やデザインと色が調和していることです。高級家具を選ぶときは、現在の人気だけでなく、数年後にも愛される色かどうかという視点を持つことが、満足度と再販価値を両立するポイントになります。