
ポルトローナ・フラウは、「最高級レザー×クラシックとモダンを融合したデザイン」で知られるイタリアのラグジュアリー家具ブランドです。 ソファやアームチェアを中心に、住宅・ホテル・オフィス、さらには高級車や航空機の内装まで手がける“革張りの名門”として世界的に評価されています。
歴史とブランドの成り立ち

ポルトローナ・フラウは1912年、レンツォ・フラウによってトリノで創業されました。 ブランド名はイタリア語で肘掛け椅子を意味する「Poltrona」と、創業者の姓「Frau」を合わせたもので、「フラウの椅子」という意味を持ちます。 創業当初から革張りのアームチェアに特化し、イギリスの伝統的クラシック家具にイタリア的なエレガンスを加えたデザインで注目されました。
その品質は1926年にイタリア王室の御用達ブランドに指名されることで証明され、王宮や政府施設、オペラハウスなど格式ある公共空間の家具を多数手がけるようになります。 その後も100年以上にわたり、職人の手仕事を核にしながら、時代のモダンデザインを取り入れて発展してきました。
代表的な素材「Pelle Frau」と職人技

ブランドの象徴となっているのが、自社開発の最高級レザー「Pelle Frau(ペレ・フラウ)」です。 厳選された仔牛革を独自製法でなめし・染色することで、顔料仕上げでありながら柔らかさと自然な質感を両立させている点が特徴とされています。 一般的なレザーに比べてきめが細かく、手触りがなめらかで、色の発色にも深みがあると評価されています。
製造工程では、裁断・縫製・張り込みまで多くの工程を熟練職人が手作業で行い、とくにクラシックモデルではボタン締めのカピトンネ(キルティング)やパイピング、鋲打ちなどの装飾ディテールが丁寧に仕上げられます。 この「手仕事をラグジュアリーとして価値付けする姿勢」が、同ブランドの最大の特徴とされています。
代表的なモデルとデザインの特徴

創業期を代表するアイコンが、アームチェア「Vanity Fair(バニティフェア)」とソファ「Chester(チェスター)」です。
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Vanity Fair:丸みを帯びた背とボリュームのあるアームを持つクラシックなアームチェアで、肉厚なクッションとペレ・フラウレザーによる包み込まれる座り心地が特徴。
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Chester/Chester One:英国チェスターフィールドスタイルをベースにしたボタン留めのレザーソファで、カールした肘掛とカピトンネ、鋲装飾など伝統的要素を現代的にまとめたモデルとされています。
近年は、世界中のデザイナーとのコラボレーションにより、クラシックの要素を残しつつ、直線や薄いフレームを取り入れたモダンなソファ・チェア・テーブルも多く展開されています。 共通するのは、イタリアらしい柔らかな曲線とエレガントなプロポーションで、重厚でありながら軽やかな印象に仕上げている点です。
製品ラインと展開領域

ポルトローナ・フラウの主力はリビングのソファ・アームチェア・ラウンジチェアですが、ダイニングチェア、テーブル、ベッド、収納、デスク、オフィスチェアなども含めてトータルに展開しています。 さらに家具だけでなく、高級車ブランド(フェラーリ、マセラティなど)のシートや、航空機・客船のシート内装も手がけており、「座るためのレザー仕上げ」という領域で強い存在感を持っています。
インテリア分野では、住宅に加え、ラグジュアリーホテル、空港ラウンジ、劇場ホールなどのスペック要求が高い空間で採用されることが多く、耐久性とデザイン性の両立が評価されています。 一方で価格帯は非常に高く、一脚・一台あたりの価格が高級ソファ市場の中でも上位クラスに位置付けられているとされています。
日本の住空間との相性と選び方のポイント

ポルトローナ・フラウの家具は、ヨーロッパ邸宅を想定したサイズ感やボリュームが多いため、日本の住宅で導入する場合は、
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リビングの広さ(奥行き・通路幅)
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天井高
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他家具とのバランス
を慎重に検討する必要があります。 その一方で、1脚だけラウンジチェアやオットマンを取り入れて“空間の主役ピース”として使うケースも多く、ポイント使いでブランドの存在感を生かすコーディネートも有効です。
レザーは長期使用で味わいが増しやすい一方、直射日光や乾燥には敏感なため、配置とメンテナンス(定期的なクリーニングと保湿ケア)が重要になります。 「一生もの」として長く付き合う前提で、色・レザーグレード・モデルのスタイル(クラシック寄りかモダン寄りか)を慎重に選ぶことが、ブランドの魅力を最大限に引き出すポイントです。